巷に溢れる聞き流し系教材
以前から「聞き流し」系の教材が語学学習において流行っているかと思います。
CDを聞き流すだけで英会話が習得できるという謳い文句で、そう言った広告を電車内等でよく見かける機会があるのではないでしょうか。
これまで学校で学習した時を除いて、英語をほとんど自発的に学習してこなかった人がCDを聞き流すだけで英語が習得できたという体験談
を聞くと、とても魅力的な教材に感じられますよね。
聞き流すだけで得られる結果として、
- 海外旅行で困らなくなった。
- 無意識に英語のフレーズが口からスラスラ出てきた。
- 外国人に英語で道を聞かれて問題なく対応ができた。
などがあげられるかと思います。
これらを見る限り、CDを聞き流すことによって英語がペラペラになったと思わせるような内容ですよね。
実は僕も大学生の頃、とある聞き流し教材を購入して、その時に一緒についてきた使用者の成功体験と言ったようなDVDを見てみました。
使ってた人がどのくらい英語が話せるようになったのだろうかと期待しながらDVDを見ていると、見事に期待を裏切られるようなものでした。
電話で外国人と教材体験者がやりとりしているシーンなのですがとてもたどたどしいもので、英会話というよりただ単に単語をつなぎ合わせているだけで、ペラペラとはほぼ遠いものでした。
それでも体験者と教材発売元の会社は教材を通じて英語が話せるようになったということにしたいのかもしれませんが、あまりにも期待外れのものでおそらく誰もがそのシーンを見たらそう思うはずです。
そうはいっても購入してしまっているので、まずはCDを聞き流すことにしてみました。
最初に英文が流れてそのあとに日本語訳が流れてくるという仕組みです。
単語や表現を調べたりせずにCDを聞き流してくださいとのことだったので、ただ単に2ヶ月ほどCDを流し続けました。
結論からいうと、いくつかの表現は耳に残った程度で、実際の会話を行った時には何も言えない状況で、効果はほぼありませんでした。
2ヶ月だけですが、あのまま1年、2年、5年と続けていても話せるようにはなっていなかったでしょう。
聞き流しの問題点
これまでシャドーイングの重要性や、実際に会話を行うことの重要性を他の記事でも話してきましたが、やはり英語を聞いてそれを実際に声に出すことが不可欠です。
ただ聞き流してインプットするだけでは、単に耳は慣れてくるかもしれませんが、会話力は全く上達しません。
よく小さい子供が語学を覚えるときの例で、子供は聞いて無意識のうちに語学ができるようになると言ったようなことが言われますが、あくまで子供においてのみ当てはまることであって、大人には当てはまりません。
これは子供と大人の脳の構造の違いについての説明が必要になり、専門的な内容になりすぎるのでここでは言及できませんが、語学学習において認識して頂きたいことです。
単語も文法もわからない状態でいくら大人が聞き流しても全く身につかないのです。
英語だと基本的な挨拶くらいは知っているので、なんとかなると思われるかもしれませんが、馴染みのない他国の言語に当てはめればわかるかと思います。
アラビア語をいくら聞き流したところで全く身につかないのは想像するのに難くないはずです。
聞き流しの良い部分
英会話レベルが中級以上方においては、良い部分もあります。
中級者以上の方は、単語や文法も基礎力がついてきているので、フレーズを聞いて意味や、どれが主語でどれが動詞なのかと言った細かい品詞分解もある程度できるかと思います。
フレーズを聞いて理解ができれば、それを実際に使うことができます。そうすれば自分の中のボキャブラリーや表現を増やして会話力を磨くことが可能です。
またCDの内容が記載されたテキストもあるので、それを用いてリーディング力の強化も行うことができるでしょう。
購入費用について
購入を考えている方にとっては、重要な部分かと思います。はっきり言って高いです。数万円〜数十万円必要と考えておいて下さい。
そこまでかかるのであれば、市販の数百円ほどのシャドーイング教材を購入して、学習した方がよっぽど費用対効果は高いです。
英会話習得に必要なこと
何をするにしても、実際に自分の手を動かしたり口を動かしたりしなければ身につくことはありません。
1日5分聞くだけでOK!というような謳い文句を聞くとついついそう言った教材に手を出したくなるかもしれませんが、自身が望むような効果を得ることはできないでしょう。
それよりも1日5分シャドーイングを行うとか、1日5個英単語を覚えると言ったようなコツコツ積み重ねていけば、自分の血となり肉となる作業を行って行くべきです。
以前の記事でも書きましたが、英会話習得をすることは日本においても十分可能です。

すぐに効果を出すことは難しいかもしれませんが、継続していれば1ヶ月前、半年前の状況とは変わっているはずなので何事も無理せず継続していきましょう。
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