以前から大学生を中心に語学留学プログラムが人気になっていますが、
今日では社会人が会社を辞めて語学留学を試みるケースや、親子留学を行うケースが増えてきました。
留学をすることで視野が広がったり、そこで出会えた人たちは一生の友人になって帰国後も連絡をとって再会することができたりと、自分の財産にもなります。
そういったことを踏まえても、留学することは自分にとって大きな経験値を与えてくれますが、
充実した留学生活にするためには、やはり様々な準備が必要です。
ただ漠然と過ごすだけでは、ああ楽しかったなという感想だけで終わり、
時間と費用をかけた意味がなくなってしまうことにもなりかねません。
そうならないためにも、もしこれから留学をされる予定の方にぜひやっておいてもらいたいことを今日は紹介していきたいと思います。
歯科検診を行う
今日は違う切り口から始めていきたいと思います。
語学の学習についてだろうと思われた方もいるかもしれませんが、もちろんそれも後述していきます。
留学を考えている方にまずやっておいてもらいたいのが、体の検診で特に歯の検診です。
歯が痛くなくても、留学前に必ずやっておいてもらいたいことの一つです。
海外と日本の保険制度の違い
ここでは詳細には取り上げませんが、海外と日本の保険制度の違いについて見ておきましょう。
日本においては、国民健康保険や社会保険といったような公的医療保険に国民全員が加入しています。
これにより医療費の自己負担額は3割で済んでいるのが現状です。
保険証を医療機関での受診後に提示するのは、公的医療保険に加入していることを証明して医療費を控除してもらうためです。
海外の例を一つあげてみましょう。
例えばアメリカでは、日本では考えられないかもしれませんが、日本のような国民全員が公的な医療保険に加入することはありません。
基本的にアメリカの国民は民間の保険会社を利用しています。
そのため、月々の保険料は1人3万円を超える場合もあり、医療保険という面から見ても高額であるといえます。
驚くべきことに、国民の約15%もの人が無保険で生活しているのです。
よって具合が悪くても医療費を払えない場合、適切な治療を受けることができません。
海外における歯の治療は特に高額になる
日本で虫歯の治療や抜歯を行う場合、保険が適用できる関係もあり自己負担分は数千円で済みますが、
海外で行う場合は数万円かかることもあります。
アメリカやイギリスのような先進国においては特に高額になる傾向があるので、
前もって日本で治療して渡航することを強くオススメします。
意外と見落としがちですが、海外での思わぬ出費を避けるためにも、
歯の治療は日本にいるうちに済ませておきたいことの一つです。
できれば渡航の3〜4ヶ月前に一度診察を行い、虫歯があれば適切な処置を行ってもらうようにして下さい。
そのくらいの期間があれば、仮に虫歯治療や親知らずの抜歯を行う際、その後経過療養を含めても十分かと思います。
国際キャッシュカードを発行しておく
これもぜひ渡航前に準備しておいて欲しいことです。
意外と知られていないのは、海外ATMに対応していない日本の銀行のキャッシュカードが海外で使えないことです。
特に長期間滞在(半年以上)する予定の方は、日本円がなくて現地で換金ができない…
という事態を避けるためにも海外のATMに対応した国際キャッシュカードを用意しておくことをオススメします。
特に社会人の方は在職中にやっておくことをオススメします。
一度でも作ったことがある方は知っているかと思いますが、キャッシュカードやクレジットカードの発行には審査があるので、
フリーターや無職の場合だと審査が下りないということも考えられるからです。
ジャパンネット銀行のVISAデビットカード
オススメはジャパンネット銀行のVISAデビットデビットカードです。
キャッシュカードとデビットカード両方の機能がついており、使い勝手が良いです。
ちなみにデビットカードとは、決済額が口座からすぐに引き落とされるクレジットカードのことを指します。
こちらのカードは年会費、ATM手数料ともに無料で、ATMの限度額も100万円まで引き出すことができます。
僕もフィリピンに留学中にATMから現金を引き出す時にこのカードを使用していました。
もちろん日本国内のATMでも使用できます。
ただ、海外で一番換金レートが良いのは、日本円を現地の両替所で換金することです。
一番オススメしないのは空港での換金で、レートが最悪なので、どうしてもすぐに現金がいる場合を除いては、使用は控えた方が良いかと思います。
基本的には、
- 日本円を多めに現地へ持っていく
- 日本円が少なくなってきたら国際キャッシュカードを使用する
といった認識をしておきましょう。
保険に加入する
これも留学前にぜひチェックしておいて頂きたいことです。
と、言うのも留学先をどこにするか、どのくらい滞在するのかで変わってくるからです。
留学期間が3ヶ月未満であれば、留学開始から90日間まで有効なクレジットカード付帯の保険で十分だと言われています。
(91日以降は保険が効かなくなる場合が多いので注意が必要です。)
それより長くなる場合であれば、必ず保険に加入しておきましょう。
留学時の保険には大きく分けて二つあり、海外旅行保険と海外留学保険が存在します。
名称だけ見ると、留学するなら海外留学保険の方が良いのではないかと思うかもしれませんが、
行き先や期間によっては、海外旅行保険で十分かと思います。
海外旅行保険
人気が上昇しているフィリピン留学の場合は基本的にはこちらの保険で大丈夫かと思います。
フィリピンで体調を崩して病院にかかる場合、欧米と違いよほどのことがない限り高額な医療費になることはないからです。
僕も3ヶ月間セブ島へ留学した時も、海外旅行保険に加入していました。
一度だけ風邪をひいて日本人向けの病院で診察を受けて薬をもらいましたが、保険で賄うことができたので、支払いはせずに済みました。
短期的な留学で保険に入るときにオススメなのが損保ジャパンです。
多くの種類の保険をかける必要はなく、僕は損保ジャパンで、
- 治療費用
- 賠償責任
- 携行品損害
の3つの項目に3ヶ月間保険をかけていました。
損保ジャパンのサイトで、各保険のプランのシミュレーションができるので、試してみることをオススメします。
海外留学保険
主に欧米諸国へ留学する場合の保険です。
前述したようにアメリカなどのように治療費が高い国で長期で留学を行う場合はこちらの保険に加入した方が良いです。
先ほど紹介した損保ジャパンは3ヶ月程度の海外旅行保険に入る場合にオススメで、
それ以上の留学の場合、海外留学保険を適用する場合には、AIU保険会社か東京海上日動をオススメします。
特にアメリカに留学する場合は、手厚い保険が不可欠なので、長期留学や欧米留学向けの保険が豊富なこの2社のサービスを確認してみて頂きたいと思います。
何れにしても、行き先や期間によって最適な保険プランが変わってくるので、
必ずそれらを考慮した上で保険を選ぶようにするべきだと思います。
基本的な英語の学習
英語留学を含む”留学”を行う前に必ずやっておいてもらいたのが、基本的な英語の学習です。
これまで僕はmeetupを中心とした国際交流イベントに参加して多くの英語留学経験者と出会ってきました。
もちろん留学経験を経て英語が流暢になったと言う人も多数いましたが、
1年ほど留学したのにほとんど話せるようにならなかったと言う人も見かけました。
そういった人たちに共通するのが、
- 留学にとりあえず行けば勝手に英語が流暢になると思っている
- 事前学習を全くしなかった
と言うことです。
留学する=英語がネイティブのように自動的に話せる
と言う考え方をしている人が非常に多いですが、残念ながらこれは幻想です。
3歳児や5歳児のような頭の柔らかい時期であれば、ただ英語を聞くだけで英語を吸収できるかもしれませんが、1
0代、それ以降の人たちが留学する場合は状況が異なります。
そして周りも英語留学経験者に対して、ネイティブスピーカーと変わらない英語力があることを期待している人が多いですが、
そのレベルに達している人は極めて少ないかと思います。
なんの知識もない大人が突然海外に行って3年過ごしても、ほとんど何も身につかないのです。
10年いてもそれは同じかと思います。
英語を身につけるためには継続的な努力が必要不可欠なのです。
あくまで留学はそれまでしてきた努力に対するサプリメント的なものなので、
基本ができていなければ、なんの効果も発揮しません。
逆に言えば、基礎がしっかりしていれば、留学することでさらに語学力を向上させることができます。
無駄な留学経験にしないためにも、ぜひ事前の学習はして頂きたいと思います。
何があっても基本的な単語と文法は覚えておくべき
以前から紹介していますが、まずは【Duo 3.0】を徹底的にやり込みましょう。
基本的とは言いましたが、これ一冊で日常生活で使用される単語と文法は大抵カバーできます。
TOEIC900点以上を目指す人が覚えるような難解な単語や表現は必要ありません。
留学をこれからしてみようかなと考えている人は、2ヶ月間で2周することを目指し、
青字で書かれている日本語と英語は全て覚える勢いでやりましょう。
留学することが決まっていて、出発まで時間がないけど単語力に不安がある人はせめて1周できるように頑張ってみましょう。
例文も自然な表現が使われているので、そのまま覚えてしまっても良いと思います。
米国の大学教授含む10数名のネイティヴスピーカーが監修した、覚える価値のある英文で、実用性は極めて高いと言えます。
文法や語法を学ぶのにオススメなのが【NextStage】です。
選択式の問題形式になっているので、解きながら覚えていくというようなスタンスで進めていけば良いでしょう。
ベースは【Duo 3.0】を学習していき、確認のつもりで【NextStage】を解いていく、というような感じです。
TOEICは最低600点、できれば700点以上を取得しておく
アメリカの大学や大学院へ行く場合はTOEFLの点数の提出が必要かと思いますが、通常の語学学校への留学するのであれば、
最低限TOEIC Listening & Reading Testで600点は取得しておきたいところです。
TOEICで高得点とれば完璧と言うわけではありませんが、600点が取れないのであれば、語学学校での授業や簡単な会話を行う上でも相当苦労します。
しかし、この点数は基礎ができていれば取得できる点数なので、そこまでハードルが高いものではありません。
個人差もありますが、最低限be動詞と一般動詞の違いがわかって、少しでも簡単な単語がわかっている人ならば、
毎日およそ2時間学習して2ヶ月程度で到達できるかと思います。
やはりここでも【Duo 3.0】をベースに学習して、ある程度単語も覚えられてきたら公式問題集も解いてみましょう。
公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 4
TOEIC対策には試験形式に慣れるのが一番ですので、公式問題集の模擬試験を解いて採点、知らない単語や文法はその都度覚えていくようにしましょう。
初めてチャレンジする場合は、はっきり行って難しいと感じると思います。
そこで落ち込まず、はじめのうちはそんなもんだくらいの心構えで良いです。
リスニング用のCDも付いていますが、これは存分に活用できるので、
CDを聴きながら本文を音読、その後はシャドーイングにもチャレンジしてみましょう。
シャドーイングのやり方は以下の記事を参考にして下さい。
【Duo 3.0】、【NextStage】、【公式問題集】をしっかりやればTOEIC600点はもちろん、700点以上も取得できるかと思います。
ここでようやく留学に向けてのスタートラインに立つことができるのです。
準備が何よりも大事
何事も幸先良いスタートを着るためには、しっかりとした準備を忘れてはなりません。
行き当たりばったりの行動では、望んで成果を手に入れることは難しく、むしろマイナスに作用してしまうことにもなりかねません。
英語を含めた語学留学に限らず、留学する際はこれまで見てきたように様々な準備を行わなければなりません。
- 日本で治療していたら費用を抑えられたのに、現地で治療する羽目になって出費が高額になった。
- 自分の不注意で物を壊してしまい、損害賠償を請求されたけど額が大き過ぎて払えない。こんなことならしっかり保険をかけておくべきだった。
留学先では何が起こるかわからないので、上記のようななんともならない事態も起こり得ます。
準備不足のせいで留学生活を台無しにしたくないですよね。
もっと言うのなら、留学後のビジョンも前もって考えておくことが望まれます。
特に会社を辞めて留学する方は、帰国後に無職の状態からスタートすることになると思うので、
留学中に何を身につけてそれを今後どのように活かしていきたいまでを考えておくことが必要です。
留学中に語学を身につけることは最低条件です。
帰国後に会社面接を受けて、「語学は身につかなかったけど良い思い出ができた。」と答える人を採用したいと思わない面接官が大半かと思います。
時間とお金を費やした結果、何も身につかなくてただ時間だけが過ぎてしまった…。
これだけはなんとしてでも避けましょう。
そのためには何につけても事前準備が必要なのです。
目的意識をもって、有意義な留学生活を送られることを願っています。
コメント