僕が英語学習をしっかり行い始めたのは2015年頃(25歳の時)からです。
それまでも学生時代から単語や文法の学習を行なっていたり、
TOEIC受けたことがあったものの、会話を含む実用的な学習はほとんど行なっていませんでした。
そこから継続的に学習を進めていた結果、以下のような成果を得ることができました。
- 日常会話ができるようになった
- 英語に関わる仕事を任されるようになったこと
- TOEICで870点を取得することができた
まだまだ改善の余地があったり、伸び代があるということは自覚していますが、
学習を始めた頃と比較するとかなり成長したと感じています。
しかしそれらを達成するまでもちろん苦労があったのも事実です。
今回は英語学習を行う過程でどのような面で苦労したのか、
そしてどうやって克服していったのかということを取り上げていきたいと思います。
音と音のリンキング
初めの頃と比較すると苦手意識は少なくなりましたが、まだまだ練習は必要だと思っています。
例えば皆さんが中学生時代に授業で使っていた英語のCDでは、
英単語が一単語ずつわかりやすく発音されていたことによって、
知っている単語や表現であれば聞き取ることはそれほど困難ではなかった、という方も多いのではないでしょうか。
しかし映画やインタビューで話されている英語はそれらとはかなり違い、戸惑う方も決して少なくないと思います。
その一つの原因が、英単語の音と音のリンキングによるものです。
よくあるケースが複数の単語が並んでいる時に、最初の単語の最後の音と、次の単語の最初の音が繋がって聞こえるという現象です。
これは【リエゾン】とも呼ばれ、苦手とする英語学習者の方は非常に多いのではないでしょうか。
僕自身映画やニュースはもちろんのこと、比較的クリアに話されているTOEICのリスニング問題でも、
リンキングによってなかなか点数が取れなかった、という時期がありました。
ここで一つの表現(イディオム)を紹介したいと思います。
“Keep an eye on it.”
(それを見張っておいてください。)
それぞれの単語と日本語訳を覚える作業は難しくないと思いますが、実際の会話で聞き取ることはなかなか難しい表現の一つです。
この表現をカタカナで人単語ずつ振り分けていくと、
(キープ アン アイ オン イット)
となりますが実際の会話で使われる場合には、
(キーパナイオニト)
というように聞こえ、単語同士がかなりリンクしていることがわかります。
これではいくら一生懸命イディオムを単語と単語の組み合わせとして覚えても、
実際の会話で使われた場合には全く別物に聞こえてしまうと思います。
目と耳を使い分けて覚える
リンキング(リエゾン)の他に、【リダクション】と呼ばれる音が消えるパターンもあります。
(例:Good morningの”d”がほとんど発音されずに“グッモーニング”と聞こえる)
これらにはルールがあり、全てのパターンを覚え切ることができれば良いですが、なかなかそうはいかないものです。
まずはそれぞれの表現を書いて覚えるなどして視覚で認識し、それとは別に聴覚で認識する必要があります。
要は一つの表現を目と耳で別々に覚えていくということで、先ほどの例を挙げると、目で認識した(キープ アン アイ オン イット)は、
耳では(キーパナイオニト)と認識する必要があります。
大変かもしれないですが、それぞれの聞こえ方のパターンを覚えていくことで、
会話の中で聞き取れる表現も確実に増えていくので、数多くの表現に触れていくことが有効です。
聞いたことがある、知っている音を増やすことが上達の近道です。
本文を見ながらリスニングをする
数多くの表現の音のパターンに出会って覚えていくには、数多くの文章を読み、それを聞いていくことです。
これは前述した目と耳を使い分けて覚える作業を同時に行うことができるので、効果的であると言えます。
音声付きのスクリプト(文章)があればできるので、実際にやってみましょう。
手元に何もなければ、TED Talksを活用してみることをオススメします。
- 目で見て認識する(リーディング)
↓ - 耳で認識する(リスニング)
↓ - 実際に発音してみる
発音する際には、耳で聞こえた通りに発音するように心がけることが重要です。
このサイクルで”知っている音”をどんどん増やしていきましょう。
シャドーイング
英語力を向上させるために【シャドーイング】を行うのが良いということを聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
僕自身もそれを聞いて、早い段階で取り入れるようにしていました。
シャドーイングとは、英語の音声を聞きながら、後から追いかけて発音を真似する学習方法の事を言います。
例えば日本語の文章で、「今日は(今日は)、友達と(友達と)出かけました。(出かけました。)」
といったように、音声が流れたらすぐさま追いかけるように発音をします。
まるで影のように追いかけて発音することからシャドーイング(Shadow=影)と言われています。
シャドーイングを行うメリットとしては、以下の事が挙げられます。
- 発音が鮮明になる
- 英語のスピードに慣れることができる
- リズムよく発音することができるようになる
- リスニング力が向上する
- リーディング力が向上する
プロの通訳者のトレーニング方法としても取り入れられており、英語力向上に大きな効果が期待できますが、
実際にやってみるとほとんどの方が難しいと感じることになるかと思います。
というのも、流れてくる英文に追いつくように発音することは想像以上に疲れる作業で、集中力も途切れやすくなるからです。
途中で一瞬でも噛んでしまうとそのあとは英文に追いつくことが困難になるので、労力を要する学習方法であるということが言えます。
易し目の教材で練習する
まずは短めの英文でゆっくり練習して慣れることから始めてみましょう。
初めから難易度の高い文章でシャドーイングを行うと挫折しやすくなるので、無理のない範囲で行うことをオススメします。
教材を使って学習したいという方にはこちらのテキストをチェックしてみましょう。
シャドーイングを基礎から行おうと考えて初めに購入したのがこのテキストです。
短めの文章から始まり、およそ3週間後には長文でのシャドーイングもできるように段階的に取り組むことができます。
著者のパックン氏が日本語を学習している時もシャドーイングを練習したというコラムも書かれており、今後の学習の参考にもなると思います。
息抜きにこうしたコラムを読むことでモチベーションも上げやすくなるのではないでしょうか。
慣れてきたらTED Talksも活用する
一通りシャドーイングのコツが掴めて慣れてきたら、TED Talksを用いてシャドーイングを行ってみても良いと思います。
TED Talksは何と言ってもクオリティの高いプレゼンテーションを無料で視聴でき、
尚且つスクリプトも用意されているので、英語学習教材として十分活躍してくれます。
話されている英語も洗練されているので、正しい文法や表現も同時に学ぶことができます。
ただ難易度も高く再生時間が長いものが多いので、シャドーイング用に動画を選ぶ際には短め(5分前後)の動画を選ぶことをオススメします。
オススメは以下の二つです。
アンジェラ・ダックワース/成功のカギはやり抜く力 6:12
ハーバード大学を卒業して数年コンサルタントとして働き、その後中学校教師になったという経歴を持つ方です。
教師として働き、子供たちの努力する姿を目の当たりにする中で成功するためには単に頭の良さやIQではなく、
やり抜く力(=GRIT)が必要だということを感じ、その重要性について語っています。
英語学習にも通じるような粘り強さが最後には勝つ、
ということを動画を通して学ぶことができるので、モチベーションを維持する目的でもオススメです。
デレク・シヴァース/社会運動はどうやって起こすか 3:09
内容としてはタイトルのように物事を起こす時のポイントが語られており、
周りの人に影響を与える、リードするにはどう行動すべきということが約3分間で簡潔にまとめられています。
特に発起人(リーダー)の最初のフォロワーが周りに影響を与える重要な役割を果たすということや、社会の中でそのようなフォロワーになることの重要性も説いています。
リーダーになる人材が求められる世の中ですが、彼は全員がリーダーになることは非効率で、
逆にリーダーを引き立てるフォロワーになることの大切さにも着目しており、新たな教育の形として広めるべき動画だと思います。
基礎教材などを使ってシャドーイングに慣れてきたとしても、初めは上記二つの動画のシャドーイングは難しいと感じるかもしれません。
これもひたすら繰り返していくことによってスラスラとできるようになっていきます。
日常会話
英語を学ぶにあたり、誰もが「話せるようになりたい」と考えると思います。
よく海外に行けば自然と英語がペラペラになると思われがちですが、そんなことはありません。
スピーキング力は単語や文法の学習をしっかり行なって、その上で鍛えられるものだと思います。
しかし基礎をしっかりやったとしても、実際の会話では勝手が異なるのも事実です。
僕もそうでしたが、会話がうまくできない原因として、
- 単語や表現の正しい使い方がわからない
- 知識はあっても瞬時に答えることができない
ということが挙げられると思います。
特に2つ目に関しては、頭の中で一生懸命英文を作ろうとして混乱してしまうことも原因だと思うので、対処方法を紹介していきます。
英借文を作っておく
【英借文】という聴き慣れない言葉があると思います。
僕もこのサイトで英借文に関しては、このサイトで初めて知りました。

英借文とは簡単にいうと、テキストで使われている表現やネイティブスピーカーが使用しているフレーズを借りてきて、それを自分用にアレンジして作る英文のことを指します。
要するにネイティブスピーカーや帰国子女じゃない限り、即興で英作文を行うことはできないので、
英借文をあらかじめ作っておいて暗記して実際の会話で使うことが効果的であるということです。
それまで僕も聞かれたことに対し、その都度一から英文を作ろうとしていたのですが、
英借文を取り入れたことによって会話がスムーズにいくことが多くなったことを覚えています。
また一つの表現もあらゆるシーンで使い回すことができる場合も多いので、
使っていくことで英文の質も上がっていき、会話することが楽しいと感じるようになりました。
初めは自分に関する簡単な英文で良いので、それらを作って暗記します。
先ほどの紹介では100文用意すると良いと書かれていますが、
いきなり100文が難しい場合は20文ほどあるだけでもだいぶ会話がスムーズになると思います。
例えば趣味の場合、
- “I like to play tennis.”
(私はテニスをすることが好きです。)
- “I started to play tennis because one of my friends recommended me that.”
(友達の一人が勧めてきたので、テニスを始めました。)
- “I play tennis once every other week.”
(2週間に1回くらいテニスをやります。)
といったシンプルな英文を用意します。
一例ですが、趣味の話をする時にこれで少しでも会話を続けることができるようになりますね。
また慣れてきたら【Duo3.0】のようなテキストやネイティブが使う表現も入れると英借文の質も上がります。
- “I know how you feel exactly.”
(気持ちはすごくわかるよ。)
- “What made you start〜?”
(なんで〜を始めたんですか。)
- “I derive a pleasure from 〜”
(〜するのが楽しみなんだ。)
参考までに1つ目は人気のアメリカンドラマ【フレンズ】でも使われている提携表現で、3つ目の表現はDuo3.0で紹介されている表現です。
こういった表現やフレーズを積極的に取り入れていきましょう。
まとめ
今回は僕が英語学習において苦労したことについて取り上げてきました。
英語は日本語とはかなり構造が違うということもあり、やる気はあってもなかなかスムーズに学習が進まないということもあります。
また今回紹介したことは多くの人が経験することだと思うので、これを読んで少しでも参考になれば良いなと思っています。
大変な時もあると思いますが、楽しむことも忘れずに学習を続けていきましょう。
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